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グルジアの歴史
 
メディア
 
このメディアの像が現在のバツミ市にあります。


メデイアは、ギリシア神話に登場するコルキス(現在のグルジア西部)の王女であります。長母音を省略してメデイアとも表記されます。


 
   
St. Nino  
   

アポロドーロス(古代ローマ時代のギリシャの著作家)によればコルキス(現在のグルジア西部)の王アイエーテゥースの娘で、カルキオペ、アプシュルトスと兄弟。ロドスのアポローニオス(叙事詩人、学者、アレクサンドリア図書館長。金羊毛を求めてのイアーソンとアルゴナウタイの冒険を描いた、叙事詩史上重要な作品の一つである『アルゴナウティカ』の作者として知られます。)によるとアイエーテゥースとエイデュイアの娘で、カルキオペーと姉妹であり、アプシュルトスは母の異なる兄にあたります。

ヘカテーの魔術に長け、イアーソンという男に恋をし、その男の率いるアルゴナウタイの冒険を成功に導いた。元来はギリシアに征服された地方の土着の女神だったと考えられています。

イアーソンたちアルゴナウタイとの主な神話についてはここでは述べない。ここでは、メデイアを中心とした追補的な神話や異説について述べます。

アプシュルトス
アポロドーロスによると、イアーソンとメデイアが金羊の毛皮を獲ってアルゴ船を出航させたとき、アイエーテゥースの船団に追われ、メデイアは、一緒に連れてきていた幼い弟アプシュルトスを殺し、亡骸を海にばらまき、追手がこれを拾い集めている間に脱出したとされています。

しかしこれには異説があります。ロドスのアポローニオスによると、アプシュルトスはアイエーテゥースとコーカサスのニュムペーのアステロディアーの子で、このときすでに成人していて、追手の船団を率いた。そしてメデイアが小島にアプシュルトスをおびき出したところをイアーソンがこれを殺したというものであります。

メデイアの復讐
メデイアはペリアース(ギリシア神話に登場するイオールコスの王)の娘たちに老いた雄羊を切り刻んで鍋に入れてぐつぐつ煮て、若返らせる所を見せました。姫たちは父親を同じように若返らせようと、ペリアースを切り刻み、鍋に入れてぐつぐつゆでたが、ペリアースは死んでしまいました。メデイアがペリアースを謀計によって殺した後、イオールコス(古代ギリシア時代の都市)の人々はメデイアの残酷な仕打ちに怒り、メデイアはイアーソンとともにコリントスに向かったが、コリントスはもともとメデイアの父アイエーテゥースの出身地であり、アイエーテゥースが執政を置いていたのでメデイアは統治権を要求できる立場にあったといいます。しかるにイアーソンはメデイアとの誓いを破棄してクレオン王の娘グラウケーと結婚しようとしたため、メデイアは毒を染みこませた結婚衣装をグラウケーに送り、グラウケーはクレオンとともに焼け死にました。

このとき、メデイアはイアーソンとの子まで殺したとされていますが、これは後世エウリーピデスによる脚色であるともいわれます。イアーソンとメデイアの間には、7人の息子と7人の娘がいましたが、メデイアが手にかけたのではなく、グラウケーとクレオンの殺害に憤激したコリントス人たちが、彼らをことごとく捕らえ、石を投げつけて殺したというものであります。また、長男のメデイオスは、イアーソン同様ペーリオン山のケイローンに養育されていて、難を逃れたともいいます。


コリントスを追われたメデイアは、初めテーバイ(古代ギリシアにあった都市国家(ポリス))のヘーラクレスを頼った。ヘーラクレスは、イアーソンが本当に不誠実で、自分を襲った狂気を治してくれるのならかくまおうといった。しかし、クレオンはテーバイの王でもありましたため、テーバイ人たちはこれを許さなかった。次にメデイアはアテナイを訪れた。アテナイのアイゲウス王は喜んで迎え、メデイアと結婚しました。しかし、メデイアはテーセウス(ギリシア神話に登場する伝説的なアテナイの王)を毒殺しようとして失敗し、テーセウスによって追放されました。その後メデイアはイタリア半島に行き、マルビウム人たちに蛇遣いの術を教えました。テッサリアー(ギリシャ中部の地域名であり、ギリシャ共和国の広域自治体であるペリフェリエス(地方)のひとつであります。)にも一時滞在し、女神テティスと美しさを競ったが、イードメネウスの審判で敗れたといいます。さらに、小アジアに達して王と結婚しました。この王はアイギオスでメデイオスの父だともいいます。

コルキスへ〜その後

コルキスで父王アイエーテゥースが伯父ペルセースに王座を奪われたと聞いたメデイアは、メデイオスを連れてコルキスに戻どりました。メデイアはペルセースを殺し、アイエーテゥースを再び王座につけた。

やがてメデイアは不死の身となり、エーリュシオン(ギリシア神話に登場する死後の楽園で、神々に愛された英雄達の魂が暮らす世界であります。)の野を治めたといいます。アキレウス(ギリシア神話に登場する英雄で、ホメーロスの叙事詩『イーリアス』の主人公であります。)は死後ヘレネーと結婚したという伝説があるが、相手はヘレネーではなく、メデイアだという説もあります。

エウリーピデースによるメディアに関する悲劇
詳細は「メディア (ギリシア悲劇)」を参照

古代ギリシア三大悲劇詩人の一人エウリーピデースによる戯曲。コリントスを舞台とし、夫イアーソンに離婚を告げられ、追放を言い渡されたメデイアは、イアーソンへの復讐のために彼の新しい花嫁とその父王、そして自分の2人の息子を殺害してコリントスを去っていきます。一人の女性によって全てを狂わされてしまう物語であります。

 

 

     
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